米国 政治的混乱の真ん中で反戦運動はゆっくり成長

ダン・ラボッツ

 無法な戦争と
 米国内の状況

 トランプ米大統領とイスラエルのネタニヤフ首相がイランに対し途方もなく強力な空爆戦争を仕掛けた。対外戦争と体制転換に反対する候補者として選出されたトランプは、彼の公約を繰り返し裏切ってきた。
 今月早く民主党は、議会の支持のないイランに対するトランプの戦争を制限していたと思われる、戦争権限法を議会に提案しようとした。この民主党の方策はほとんど両党の分割線にしたがって、53対47で押さえ込まれた。
 直近の世論調査は、米国人の56%がトランプの対イラン戦争を支持していないと示している。それでも、どんな規模であれ全国的な反戦運動を組織化するのは、戦争の最初の2週間では難しかった。
 民主党と密接につながっている労組の官僚は、戦術的にであれ公然とであれ、全体として米国の戦争を支持してきた。今日、トランプを支持している多くの工業労働者や建設労働者の下では、反対の立場をとる労組を見つけるのはむしろもっと困難かもしれない。

 反トランプ運動
 と反戦の声共鳴

 しかしながら、全国看護士組合は強力な立場を示し、「トランプ政府が憲法を無視し、議会の承認も受けずに週末またもうひとつの帝国主義的な戦争行為という罪を犯した、と国中の看護士は憤激している。ベネズエラにおけるトランプの一方的な軍事行動とまさに同じく、イランに対する米国の攻撃は、われわれの患者によって支払われている。かれら国中の労働者階級の民衆は、その前にここ本国で、医療ケアや食糧や住宅といった基礎的な必要を供給するために闘い続けているのだ」と語っている。
 同じく、この国で最大の医療ケア労働者組合のサービス従業員国際組合(SEIU)―1199は「トランプ政府のイランに対する違法な戦争を、早くも数百人に上る無実な命を奪った上に、中東における進行中の人道的な破局をさらにもうひとつ生み出す怖れのあるその紛争を糾弾する。この最新の体制転換戦争は労働者階級の優先課題に対するはなはだしい裏切りだ」と明らかにした。
 大規模な「ノー・キングス」抗議行動の組織化に責任を負う主要組織は一つの声明を出し、「トランプはイランに対する権限のない軍事攻撃に乗り出し、米国を議会承認のないさらにもうひとつの戦争に向かって引きずり込んでいる。この無謀な軍事的エスカレーションは、米国の軍事要員および罪のないイラン市民の命を危険にさらしている。そのすべては、議会が認めなかった、また米国民衆も支持していない一方的な課題設定を促進するためだ」と明らかにしている。

 反戦運動の中に
 いくつかの困難

 しかしながら米国左翼のいくつかはこれまで混乱の種をまく傾向を示してきた。労働者の世界党、社会主義と解放党、またANSWER連合は、ほとんどの人々が彼らの抗議行動に加わるのをもっと難しくする立場をとってきた。かれらがイランの独裁制とハマスの諸行動を支持してきたからだ。今初めて、米国人の過半がイスラエルよりもパレスチナに共感しているとはいえ、イランの残忍な独裁制やハマスの殺人的な戦術に対する共感はほとんどないのだ。
 この国最大の社会主義組織であるアメリカ民主的社会主義者(DSA)は、先のグループと共に活動するかそうしないかをめぐる内部の闘いによって混乱に投げ込まれている。
 米国内の百万人以上になるイラン人内部では全く一致がない。とはいえ、イラン系米国人の多数は戦争に反対している(最新世論調査によれば53%)。そこには強い反対の立場がある。一定のイラン人は暴力的な神政独裁制を憎悪し、それゆえかれらの国の破壊にもかかわらずこの戦争を支持している。
 このあらゆる分裂にもかかわらず、戦争が続くならば、運動は作り上げられるだろう。(2026年3月8日)(「インターナショナルビューポイント」2026年3月9日)

THE YOUTH FRONT(青年戦線)

・発行編集 日本共産青年同盟「青年戦線」編集委員会
・購読料 1部400円+郵送料 
・申込先 新時代社 東京都渋谷区初台1-50-4-103 
  TEL 03-3372-9401/FAX 03-3372-9402 
 振替口座 00290─6─64430 青年戦線代と明記してください。