ギリシャ 緊急声明
連帯広げ自主占拠運動を守れ
2019年8月31日 OKDE―スパルタコス
アテネのエクサルヘイア街区にある自主占拠地の排除にあらためて抗議するデモが、八月三一日に行われた(注一)。以下に第四インターナショナルギリシャ支部による声明を掲載する。(IV編集部)
八月末、新民主主義(ND)の新政権が、アテネ中心部にある政治的な占拠地と難民の占拠地である四カ所の清算を選択した。それは、諸運動、被抑圧層、多国籍の労働者階級を敵視する過酷な抑圧の課題設定と一体的に進む一つの抑圧行為だ。ND政権と国家機構は長期にわたって、この計画を公的なものにする努力を払い続けてきた。われわれはこれまで、NDが政権について以来、その反労働者的で抑圧的行為の具体的事例をいくつか見てきた。顕著な例としては、保護施策の廃止だ(注二)。
四ヵ所の自主占拠地、スピリドン・トリコウピス15と17、ガレ、およびロサ・デ・フォクの清算は、他の個所の清算に向けた始まりにほかならない。それは運動に対する国家による攻撃だ。ND政権には事実上ゼロ・トレランスの姿勢があり、犯罪との闘いという言葉を使って運動敵視を遠慮なく話し、プチブルジョアジー内部の保守的な反射作用に刺激を与えている。もちろんそれは、前「左翼」シリザ政権による、自主占拠者を追い払い「市民の安全」論を永続化することによる抑圧政策の継続、またEU・トルコ協定に基づく難民に対する反移民政策、にも基礎をもっている。ともかくも、シリザ執行部(すなわちザカリディアディス)は、すぐさま彼ら自身の行動を思い出した。国家に、またその抑圧機構に継続性があることは確証されている。
占拠は、左翼とアナーキストの運動の、難民、労働者階級、急進化した若者の、われわれの闘争を自ら組織する上でのツールであり媒体だ。同時にそれらは、居住権のような社会的権利を満たす上で有益かつ必要だ。それらは、集団的な自主管理の事例として、個人所有権に異議を突きつける構想として、しかしまた政治的、文化的統合と熟考の場として標的にされている。
国家は、難民の自主占拠地の清算をもって、難民との連帯運動を、また二〇一五年夏に大衆的難民運動によって生み出された組織を、掘り崩したいと思っていることを示すことになった。それは今、難民の絵柄を「侵入者」、また「犯罪者」として軽いものにしようともくろんでいる。難民がそれ以前にエーゲ海で溺死していないとすれば、移民を敵視する集中キャンプや抑圧的作戦を社会的に受け入れ可能なものとして押しつけるためだ。極右の警官、バラスカスの例がそうだったように、難民に向けた人間扱いしない演説が変わることなく国家の代表から行われてきた。
政府、警察、またメディアはエクサルヘイアに、近づくことのできない地域、常に非合法行為がある現場、という絵柄を与えている。このイメージは、諸運動に歴史的に結びついてきた地域の価値を低め、その内部にある政治的集団主義の空間を清算するために必要になっているのだ。現政権は、それ以前の何十年にもわたる政権同様、その街区が性格を変え、代わりに商業化されたソーホー(注三)になる方をはるかに好んでいるように思われる。それが、その「不名誉」に対しきっぱりと行われるべきことなのだ。しかし彼らは、運動が彼らの道を妨げることになるがゆえに、再度失敗するだろう。
われわれは、私的や公的な双方の建物の中に、また市の公共空間や職場や学校の中に一つの「場」を確保したりするような、その多様な形態の自主占拠運動を守る必要がある。行動における統一をもって、セクト主義を排除してだ。占拠運動を労働運動の他の領域と、難民との連帯や被抑圧層の諸運動と統一する必要がある。
自主占拠に対する攻撃は、それを通じて階級闘争のあらゆる作戦が掘り崩されるがゆえに、誰からも過小評価されてはならない。われわれは、逮捕された人々の即時釈放を求める。われわれは、難民と、われわれの階級的な兄弟たちと連帯して立ち上がる。われわれは、連帯の行進と集会を支援する。
(注一)ガーディアン紙八月二六日付け、「ギリシャの警察、アテネの自主占拠地を急襲、移民を逮捕」「エクサルヘイア内部:アテネの警察は自主統治のコミュニティを取り除きたがっている」。
(注二)大学内の警察から保護された環境の法的状態。
(注三)ロンドンのソーホー地区と同様。(「インターナショナルビューポイント」九月号)
(訳注)ロンドンのソーホーは、シティ・オブ・ウェストミンスターの一画にある、長く庶民の歓楽街であった地区。一九八〇年代以来の再開発で高級商業地区に変貌。
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