軍部による大虐殺許すな

かけはし 第2660号 2021年4月5日

ミャンマー 1日で114人が犠牲に
これ以上人びとの命を奪うな
軍の暴虐を国際的な民衆  連帯で今すぐ止めよう!

3.27「国軍記念日」に無差別殺害
1500人が抗議デモ
拘禁されたすべての人々の即時釈放を

 3月27日は「国軍記念日」で、ミャンマー国軍はクーデターの正当性を国際的に認めさせようと軍事パレードを行った。軍司令官は「選挙に不正があった」とクーデターの正当性を述べ、この日も全国で抗議する市民たちを無差別に殺傷した。
こうした軍の動きを予測して、在日ミャンマー人らが午前11時、東京青山の国連大学前に集まり、軍による民衆虐殺に抗議した。最初に犠牲者への黙とうを行った。そして、「ミャンマー国内の市民たちの抗議行動に連帯する」行動であると訴えた。ミャンマー語と日本語で次のようなスローガンを訴えた。「日本政府はミャンマー軍事クーデターを認めないで。日本政府と国際社会は国連とともにR2P(国際的保護政策)を実施しろ。拘束されたアウンサンスーチー氏とすべての関係者を釈放するようミャンマー国軍へ圧力を。日本政府は2020年総選挙の結果に基づいて作ったCRPH(ミャンマー連邦議会代表委員会)を国際社会と共に認めろ。2021年民主化活動は勝利するぞ」。各民族の旗を掲げたり、スーチーさんの肖像を掲げた1500人が渋谷駅を一周するデモを行い、連帯を訴えた。

民主化運動は
必ず勝つ!


3月27日、クーデターに抗議する市民らは軍記念日に合わせ、全国各地でデモを実施。オンラインメディア「ミャンマー・ナウ」は、治安部隊の発砲などで少なくとも114人が死亡したと報じた。2月1日のクーデター後、1日の犠牲者としては最悪となった。
3月26日夜、国営テレビは「頭部や背中を撃たれる危険がある」と警告していた。人権団体の政治犯支援協会の集計では、国軍の弾圧による死者は26日までに328人に達しており、累計で400人を超えたとみられる。
式典には例年、各国の代表が出席するが今年は中国、ロシアを含む8カ国にとどまり、日本など多くの国が欠席した。ロシアからはフォミン国防次官が出席。26日に会談し、軍事分野での協力強化で一致。ミンアウンフライン軍司令官は演説で、ロシアの「友好的な支援」に謝意を示したという。ミャンマーはロシアから多くの兵器を調達するなど関係が深い。ミャンマー軍を支える国際的支援構造を断ち切ろう。
(M)

ミャンマー日誌

 ミャンマーでは軍の厳しい弾圧にかかわらず、クーデターへの抗議行動が様々な方法で行われている。地元人権団体によると、弾圧による犠牲者は3月21日時点で少なくとも250人に達した。警察官や軍人による銃撃だけでなく、拷問を受けた市民が死亡する例も相次いでいる。現地の会員制交流サイト(SNS)では兵士や警察官が民家や商店に押し入って略奪行為を働く様子が拡散しており、治安状況が悪化している。
 3月22日、EUはミャンマー軍司令官など11人に制裁を科した。仏電力公社は軍の弾圧が継続しているとして、ミャンマーの水力発電事業中断と発表。総事業費1600億円。
 3月22日夜、抗議デモの弾圧で死亡したデモ隊を追悼する集会が複数の都市で開かれた。ソーシャルメディアに投稿された写真によると、最大都市ヤンゴンのアロン郡区で開かれた集会には、ろうそくを手にした数百人が集まった。
 3月23日、第2の都市マンダレーで、軍が7歳の少女の自宅に押し入り、父親に向けて発砲。父親の膝の上にいた少女の腹部に銃弾が当たり死亡した。人権団体「政治犯支援協会」(AAPP)の23日の発表では、弾圧による犠牲者は275人に上る。国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」によると、これまでに少なくとも20人以上の子どもが犠牲になった。
 3月24日、外出や出勤をやめる沈黙のストライキが実施された。交通量が激減し、多くの商店も店を閉めた。
 軍は拘留していた2418人のうち、628人を釈放した。国際的にアピールするねらいか。
 東部シャン州のシーポーでは、抗議デモの死者の名前を書いたカードをろうそくの横に置き、「私たちは軍事政権を望まない」とのプラカードを掲げた。他の地域でも、国際社会に支援を求めるメッセージを付けたヘリウムガス入りの風船を飛ばしたり、街頭に玩具の車や人形、マネキンなどを並べて抗議活動の様子を再現する光景も見られた。
 ミャンマーで迫害を受けてきたイスラム系少数民族「ロヒンギャ」とミャンマー人の日本在住の代表が都内で一緒に会見し、クーデターを起こしたミャンマー軍に対して共に戦う姿勢を見せた。一緒に会見するのは極めて異例という。ミャンマー市民の抵抗運動へのいっそうの支援を。

 (M)

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